兵庫県北部・但馬地方にある養父市(やぶし)。
氷ノ山やハチ高原をはじめとする豊かな自然に囲まれ、
「自然の近くで子どもを育てたい」「地方へ移住して住宅費を抑えたい」
という家庭にとって気になる自治体のひとつです。
養父市は「日本一子育てをしやすいまち」を掲げ、
妊娠・出産から保育、教育、医療、住宅、仕事まで幅広い支援を行っています。
特に注目したいのが、
- 高校生年代までの医療費を所得制限なしで全額助成
- 空き家改修は条件により最大150万円
- 病児保育は小学6年生まで利用可能
- 小規模特認校や義務教育学校など特色ある教育
- 創業支援は最大100万円、食品製造加工なら最大200万円
といった制度です。
一方で、学校給食は完全無償ではない、大阪まで毎日通勤するには距離がある、市内でも地域によって生活利便性が大きく違うなど、移住前に知っておきたい注意点もあります。
結論からいうと養父市は、
「都会と同じ便利さ」を求める家庭よりも、自然の近くで住宅費を抑え、地域とのつながりや特色ある教育を大切にしながら子育てしたい家庭と相性の良い移住先
といえるでしょう。
この記事では、養父市の子育て支援から教育、住宅、仕事、交通、医療まで、移住を検討するうえで知っておきたいポイントを詳しく紹介します。
※掲載している制度・金額等は2026年8月時点で確認できた情報をもとにしています。
制度変更や予算終了の可能性があるため、実際に利用する際は養父市公式サイト・窓口で最新情報をご確認ください。
- 養父市は子育て・移住先としてどう?まず結論
- 養父市とは?基本情報と人口動向
- 養父市の子育て支援|妊娠から高校まで幅広くサポート
- 養父市の教育|少人数教育・英語・ICTに注目
- 養父市の医療・福祉|公立八鹿病院が地域医療の拠点
- 養父市の住宅・移住支援|空き家リノベとの相性が良い
- 養父市の仕事・起業|国家戦略特区ならではの特徴も
- 養父市の交通・生活インフラ|車は必要?
- 先輩移住者の声|養父市へ移住して感じた魅力
- 養父市へ移住するメリット
- 養父市へ移住する前に知っておきたいデメリット・注意点
- 朝来市・豊岡市・香美町と比較すると?
- 養父市への移住がおすすめな人
- 養父市への移住を慎重に考えた方がいい人
- 養父市への移住前にチェックしたい5つのポイント
- 養父市の子育て・移住に関するよくある質問
- まとめ|養父市は自然・住宅・教育を重視する子育て家庭におすすめ
養父市は子育て・移住先としてどう?まず結論
最初に、養父市の特徴を簡単にまとめると以下のとおりです。
| 項目 | 評価 | 特徴 |
|---|---|---|
| 子どもの医療 | ◎ | 高校生年代まで所得制限なしで自己負担額を全額助成 |
| 妊娠・産後支援 | ○〜◎ | 健診・新生児検査・移動支援・相談体制など |
| 保育 | ○ | 認定こども園、病児保育、誰でも通園制度あり |
| 学校給食 | △ | 完全無償ではない |
| 教育 | ○〜◎ | 小規模特認校・義務教育学校・英語・ICT教育 |
| 住宅支援 | ◎ | 新築・購入・改修・賃貸・空き家を幅広く支援 |
| 起業支援 | ◎ | 最大100万円、食品製造加工なら最大200万円 |
| 都市部へのアクセス | △〜○ | 大阪まで車で約2時間 |
| 車なし生活 | △ | 地区によっては車の重要性が高い |
| 自然環境 | ◎ | 氷ノ山・ハチ高原など自然が豊富 |
養父市の魅力は、何かひとつの支援額が突出しているというより、
医療+住宅+教育+仕事+自然環境を組み合わせて、
地方で長く暮らしていくための環境が整えられていること
にあります。
特に「空き家を購入してリノベーションしたい」
「小規模な学校で子どもを育てたい」
「地方で起業したい」
と考えている家庭はチェックしておきたい自治体です。
養父市とは?基本情報と人口動向

兵庫県北部・但馬地方にある人口約2万人の市
養父市は兵庫県北部の但馬地方にあり、
2004年に八鹿町・養父町・大屋町・関宮町の4町が合併して誕生しました。
市域は約422.9平方キロメートル。
兵庫県最高峰の氷ノ山や鉢伏山、ハチ高原などがあり、山や森林に囲まれた中山間地域です。
一方、市内すべてが同じような環境というわけではありません。
八鹿地域には八鹿駅、市役所、公立八鹿病院、商業施設などが集まっており、養父市の中では比較的生活しやすいエリアです。
大屋・関宮などへ行くと、より山間地域らしい暮らしになります。
そのため養父市へ移住する場合は、単純に「養父市に住む」と考えるのではなく、どの地域に住むかまで含めて考えることが重要です。
養父市の人口は現在も減少している
養父市について調べるうえで知っておきたいのが人口減少です。
2020年国勢調査では22,129人だった人口が、2025年国勢調査速報では19,757人となっています。
5年間で2,372人、割合にすると約10.7%の減少です。
養父市は現在も市全域が過疎地域に指定されています。
つまり養父市は「移住者が急増して人口が増えている地方都市」ではありません。
むしろ、
人口減少という課題があるからこそ、若者・子育て世帯・移住者に向けて住宅や仕事、教育、子育て支援を充実させている自治体
と考える方が実態に近いでしょう。
移住先を選ぶ際には、こうした現状も理解したうえで検討することが大切です。
養父市の子育て支援|妊娠から高校まで幅広くサポート

養父市では「日本一子育てをしやすいまち」を掲げ、妊娠から出産、保育、学校、高校進学まで、子どもの成長段階に応じた支援を行っています。
単純な現金給付だけではなく、医療や移動、病児保育、通学までカバーしているのが特徴です。
妊娠期|健診だけでなく移動もサポート
妊娠すると、母子健康手帳の交付を起点として妊婦健診や妊婦向け支援、妊婦口腔健診などを利用できます。
2026年4月からは「やっぷー子育てアプリ」を使った妊娠届や妊婦支援給付の申請にも対応しています。

養父市らしい支援として注目したいのが移動支援です。
対象者はタクシーや「やぶくる」の運賃について半額助成を受けることができ、母子健康手帳を交付された人も対象となります。
母子手帳交付から1年間利用でき、年間の助成上限は6万円です。
山間地域では産婦人科や医療機関まで距離があるケースもあります。
そのため、都市部ではあまり意識しない「病院までどう移動するか」を支援しているのは、地方で妊娠・出産する家庭にとって実用的な制度といえるでしょう。
特定不妊治療や通院交通費への支援も用意されています。
出産・産後|産婦健診や新生児聴覚検査を助成
出産後は、産後おおむね2週間と1か月に行う産婦健康診査2回分を全額助成しています。
また、新生児聴覚検査についても、生後1か月以内を基本として検査費を全額助成しています。
さらに「たまひよサロン」では、妊婦から1歳頃までの親子を対象に、
- 助産師
- 保健師
- 栄養士
- 保育士
などへ相談することができます。
身体計測や育児相談、ベビーマッサージ、離乳食実習なども行われています。
地方移住では、近くに親族や知人がいない状態から子育てを始める家庭も少なくありません。
そのため、金銭的な支援だけではなく親子が地域とつながれる場所があることも重要なポイントです。
乳幼児期|病児保育と「こども誰でも通園制度」
養父市には複数の認定こども園や保育施設があります。
さらに2026年度には「こども誰でも通園制度」を実施。
普段こども園などへ通っていない生後6か月から満3歳未満の子どもが月10時間まで施設を利用できます。
共働き家庭にとって特に注目したいのが病児保育です。
病児保育センター「ほわほわ」は、
- 生後6か月〜小学6年生
- 7時30分〜18時
- 1日定員6人
- 5時間以上:2,000円
- 5時間未満:1,000円
で利用できます。
子どもが急に発熱した場合、通常の保育園や学校には預けられません。
移住後に夫婦とも働く予定なら、
「保育園に入れるか」だけでなく「子どもが病気になった日にどうするか」
まで確認しておくことが重要です。
小学6年生まで利用できる病児保育がある点は、共働き世帯にとって安心材料になりそうです。
高校生年代まで医療費を全額助成
養父市の子育て支援の中でも特に分かりやすいメリットが子どもの医療費助成です。
0歳から小学3年生までは乳幼児等医療、小学4年生から高校生年代まではこども医療の対象となり、
所得制限なしで、保険診療にかかる自己負担額を全額助成しています。
基本的には18歳到達後最初の3月31日までが対象です。
子どもは風邪やけがなどで病院へ行く機会も多いため、子育て世帯にとって家計面で分かりやすいメリットでしょう。
高校進学後は通学費も支援
地方移住で意外と見落としやすいのが高校への通学です。
小中学校までは自宅の近くでも、高校になると市外へ通うケースがあります。
養父市では、公共交通機関を利用する高校生について、定期乗車券の月額15,000円を超える部分を全額補助しています。
高校進学後まで見据えて支援があるのは特徴のひとつです。
さらに、新卒者などを対象とする「がんばる若者応援給付金」では、条件を満たせば最大15万円が給付されます。
市外の事業所へ就職する場合も対象になり得るため、「養父市に住みながら周辺地域で働く」という生活も選択肢になります。
養父市の教育|少人数教育・英語・ICTに注目

子育て移住では、住宅補助以上に「子どもがどんな学校へ通うのか」が気になる家庭も多いでしょう。
養父市の教育は、全市一律の英語特化教育というよりも、
小規模校・英語教育・小中一貫・ICTを組み合わせた特色ある教育
に注目したい地域です。
建屋小学校は市内全域から通える小規模特認校
特徴的なのが建屋小学校です。
建屋小学校は「小規模特認校」に指定されており、通常の校区に関係なく、市内全域から一定の条件で通学できます。
小規模校ならではの環境を生かしながら、
- 外国語指導員との交流
- 低学年からの英語活動
- 英語スピーチ
- オンライン英会話
などにも取り組んでいます。
「大人数の学校より、少人数で先生や地域との距離が近い環境で学ばせたい」という家庭には興味深い選択肢でしょう。
関宮学園では9年間を見通した教育
関宮地域には関宮学園があります。
2020年4月に開校した、但馬地域初の義務教育学校です。
一般的な小学校6年間+中学校3年間という区切りだけではなく、9年間を通した教育を行えることが特徴です。
地方移住では児童・生徒数の少なさを不安に感じる家庭もありますが、一方で少人数だからこそ可能になる一貫した教育や、先生との距離の近さに魅力を感じる家庭もあります。
GIGAスクール・DX教育も進められている
養父市ではJETプログラムによる外国語指導助手を活用しているほか、GIGAスクール構想による児童・生徒1人1台端末の整備も行われています。
伊佐小学校は2025年度、文部科学省の「リーディングDXスクール」に指定されました。
「田舎の学校だからICT教育が遅れている」と単純に考えるのではなく、学校ごとの特色を確認してみるとよいでしょう。
注意|学校給食費は完全無料ではない
子育て支援が充実している自治体では「給食費も無料なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、養父市の学校給食は完全無償ではありません。
2026年4月から、小学校の給食費は
1食333円・月額5,400円
となっています。
近隣では朝来市が2025年度から小中学校の給食費を無償化し、香美町でも小中学校等の給食費を無償化しています。
そのため、経済的な支援額だけで自治体を比較すると、養父市がすべての項目で最も手厚いわけではありません。
移住先を比較するときには、このようなデメリットも含めて判断することが大切です。
養父市の医療・福祉|公立八鹿病院が地域医療の拠点

医療面では公立八鹿病院が地域の重要な拠点となっています。
PET-CTなども整備されており、但馬・丹波地域のがん診療などを支えています。
先ほど紹介した病児保育についても八鹿病院と連携して運営されています。
一方で、すべての高度専門医療が養父市内だけで完結するわけではありません。
子どもに持病がある場合や、特定の診療科へ定期的に通院する必要がある家庭は、
「希望する病院まで実際に何分かかるのか」
を物件選びと同時に確認しておくことをおすすめします。
「社会的処方」という特徴的な取り組みも
養父市では2022年度から「社会的処方」の取り組みも進めています。
社会的処方とは、薬や医療だけでは解決しにくい孤立や生活上の困りごとを持つ人を、地域活動や福祉、教育、子育てなどの地域資源へつなげていく考え方です。
子育て家庭だけでなく、高齢になってからの暮らしや親との同居・近居まで考えると、地域全体で支える仕組みがあることも移住先を見るひとつのポイントになります。
養父市の住宅・移住支援|空き家リノベとの相性が良い

養父市の移住制度で特に注目したいのが住宅支援です。
2025〜2027年度の「やぶ暮らし住宅支援制度」では、新築だけでなく空き家購入、改修、賃貸まで幅広く支援しています。
主な内容は以下のとおりです。
| 支援内容 | 補助内容 |
|---|---|
| 新築 | 3,000円/㎡・最大40万円 |
| 空き家購入 | 2,000円/㎡・最大30万円 |
| 住宅改修 | 対象費用の10分の1・最大25万円 |
| 民間賃貸 | 家賃4万円を超える部分を月最大2万円・12か月 |
| U・Iターン | 1人5万円 |
| 賃貸世帯加算 | 世帯5万円 |
| 家財処分 | 費用の2分の1・最大10万円 |
ただし、年齢や居住期間など、それぞれ条件が設定されています。
例えば、新築は原則45歳未満、民間賃貸や一部のU・Iターン支援では40歳未満など、制度によって対象が異なります。
利用を検討するときは、住宅を契約する前に必ず条件を確認しましょう。
空き家改修は条件を満たせば最大150万円
さらに注目したいのが空き家活用支援です。
一定条件を満たすU・Iターン世帯などでは、
空き家改修費の2分の1、最大150万円
の補助を受けられる制度があります。
一般的な対象世帯についても3分の1・最大100万円の枠があります。
そのため養父市は、
「新築住宅を建てたい人」以上に「地方の空き家を購入して、自分好みにリノベーションしたい人」
と相性が良い移住先といえそうです。
古民家暮らしやDIY、広い家での子育てに興味がある人は、空き家バンクと合わせてチェックしてみるとよいでしょう。
まずは「お試し移住」もできる
いきなり住宅を購入する必要はありません。
養父市では、移住希望者向けに1〜6日間利用できる短期滞在支援住宅が用意されています。
さらに、1〜3か月程度の移住体験住宅などもあります。
養父市への移住を考えているなら、個人的には一度現地で生活してみることをおすすめします。
特に確認しておきたいのが冬の生活です。
山間部を含む養父市では、住む地区によって雪や道路状況、買い物への移動などが大きく変わります。
春や秋だけで判断せず、可能であれば冬にも一度訪れてみると、実際の生活をイメージしやすくなります。
養父市の仕事・起業|国家戦略特区ならではの特徴も

地方移住で住宅と同じくらい重要なのが仕事です。
養父市は2014年から国家戦略特区に指定されています。
特に中山間地域の農業をテーマに規制改革を進めてきた自治体として知られています。
難しく聞こえますが、簡単にいうと、
国の通常のルールを地域限定で柔軟にし、新しい事業に挑戦しやすくする地域
と考えると分かりやすいでしょう。
2026年6月時点では、規制改革メニュー10、認定事業26の実績が示されています。
農業や農産物加工などに興味がある人にとっては、特徴的な環境です。
創業支援は最大100万円、食品加工なら最大200万円
「地方へ移住して自分で仕事を始めたい」という人には創業支援もあります。
2026年度の創業・第二創業補助金では、条件を満たす場合、
一般的な創業:最大100万円
食品等の製造加工:最大200万円
の補助があります。
例えば、
- 小さな飲食店
- 地域サービス
- 観光関連事業
- 農業
- 農産物加工
- 食品製造
などを考えている人は検討する価値があります。
住宅・空き家支援と創業支援を組み合わせられる可能性があるのも、養父市移住の特徴です。
市内だけで仕事を探す必要はない
地方移住というと「移住先の町で就職しなければならない」と考えがちですが、必ずしもそうではありません。
養父市から豊岡市や朝来市などへ勤務する方法もあります。
若者向け給付制度についても、市外事業所への正規就職が対象になり得ます。
一方、大阪の会社へ週4〜5日通勤する生活はあまり現実的ではありません。
大阪勤務を続けながら移住するのであれば、
フルリモートや、月数回程度の出社で済むハイブリッド勤務
などの方が相性は良いでしょう。
養父市の交通・生活インフラ|車は必要?

養父市への移住で必ず考えておきたいのが交通です。
アクセスの目安は、
- 大阪:約2時間(車)
- 神戸:約1時間30分(車)
- 姫路:約1時間30分(車)
- 大阪方面:約2時間50分(高速バス)
- 神戸三宮方面:約2時間15分(高速バス)
です。
大阪・神戸へ行けない距離ではありません。
ただし「大阪のベッドタウン」として毎日通勤するような距離でもありません。
養父市は、
都市部へ毎日通う町というより、但馬地域を生活圏として暮らす町
と考える方が現実的です。
八鹿周辺と山間部では生活利便性が違う
養父市は約423平方キロメートルと市域がかなり広いため、同じ養父市内でも住む場所によって生活環境が変わります。
八鹿周辺には、
- 八鹿駅
- 市役所
- 公立八鹿病院
- スーパー
- コンビニ
などが比較的集まっています。
一方、大屋や関宮などでは自然が身近になる反面、買い物や通勤、通院などで移動距離が長くなる可能性があります。
そのため子育て家庭の場合は、物件の安さだけを見るのではなく、
保育園・学校・勤務先・スーパー・病院・駅までの時間
をセットで確認することが重要です。
車なしでも暮らせる?
八鹿駅周辺など居住地によって条件は異なりますが、市域の広さや山間集落の多さを考えると、子育て世帯では車がある方が生活の自由度はかなり高いと考えられます。
さらに夫婦で勤務先が異なる場合は、車1台で生活できるのか、2台必要になるのかまでシミュレーションしておきたいところです。
住宅費が安くなっても車が2台必要になれば、自動車保険・車検・ガソリン代などが増えます。
「家賃だけ安くなったから生活費も大幅に下がる」と考えず、移住後の総生活費で比較しましょう。
先輩移住者の声|養父市へ移住して感じた魅力

行政の支援制度だけでは、実際に養父市で暮らしたときの雰囲気まではなかなか分かりません。
そこで、養父市が公開しているIターン移住者のインタビューから、実際に暮らして感じた養父市の魅力を見てみます。
「養父市の一番の魅力は、人が優しいところ」
公表されているIターン経験者のインタビューでは、
養父市の魅力について「人が優しいところ」と語られています。
自然豊かな環境だけでなく、地域で顔を合わせたときに挨拶を交わすなど、人との距離が比較的近い暮らしにも魅力を感じている様子が紹介されています。
都市部では近所の人とほとんど話さない生活も珍しくありません。
一方、養父市のような地方では、地域の人とのつながりが生活の一部になることがあります。
人との交流を楽しめる人にとっては、こうした地域との距離の近さも養父市移住の魅力になりそうです。
自然が身近にある暮らしも魅力
養父市には氷ノ山やハチ高原をはじめ、山や森林に囲まれた自然環境があります。
公表されている移住者の事例でも、自然豊かな環境で暮らせることが養父市の魅力として紹介されています。
休日に山やアウトドアを楽しみたい家庭や、子どもを自然の近くで育てたい家庭にとっては、都市部とは大きく異なる生活環境です。
特別な旅行に出かけなくても自然に触れられることは、養父市で暮らす大きな特徴のひとつでしょう。
一方で、移住前に確認しておきたいこともある
ただし、今回確認できた公表事例はIターン移住者の一例であり、現在の一般的な子育て家庭すべてに当てはまるものではありません。
特に子育て世帯の場合は、
- 冬の雪や道路状況
- 車は1台で足りるのか
- 保育園・学校までの距離
- 習い事や塾の選択肢
- 高校進学後の通学
- 自治会や地域行事との関わり
- 市外勤務と子育ての両立
など、実際に暮らして初めて分かる部分もあります。
養父市への移住を本格的に考えるなら、制度だけを確認するのではなく、お試し移住や現地見学を利用して、実際の生活環境を確認してみるのがおすすめです。
移住者の声から分かる養父市との相性
公表されている移住者の声を見る限り、養父市は「便利だから住む」というよりも、
自然の近くで暮らしたい、人とのつながりを大切にしたい、地域に溶け込みながら生活したい
という人ほど魅力を感じやすい地域といえそうです。
住宅補助や子育て支援だけではなく、こうした暮らし方そのものに魅力を感じるかどうかも、養父市への移住を判断する重要なポイントになるでしょう。
養父市へ移住するメリット
ここまでの内容を踏まえると、養父市へ移住する主なメリットは次のようになります。
- 高校生年代まで医療費が所得制限なしで助成される
- 空き家購入・改修など住宅支援が充実している
- 病児保育を小学6年生まで利用できる
- 小規模特認校や義務教育学校という教育の選択肢がある
- 自然の近くで子育てできる
- 創業・食品加工ビジネスへの支援がある
- 地方ならではの地域との距離の近さを感じやすい
特に、
「自然の中で子どもを育てたい」「広い家に住みたい」「古民家をリノベーションしたい」「地方で自分の仕事をつくりたい」
という家庭には検討価値が高い自治体です。
養父市へ移住する前に知っておきたいデメリット・注意点
一方、養父市は誰にでもおすすめできる町ではありません。
移住後に後悔しないためにも、デメリットまで確認しておきましょう。
学校給食費は完全無料ではない
2026年度の小学校給食費は月額5,400円です。
給食費無償化を重視する場合は、朝来市や香美町など近隣自治体とも比較した方がよいでしょう。
地区によっては車への依存度が高い
市域が広いため、山間部では特に車が重要になります。
夫婦それぞれに車が必要になる可能性も考えておきましょう。
大阪への毎日通勤には向いていない
大阪まで車で約2時間、高速バスでは約2時間50分。
たまに大阪へ行くには問題ありませんが、毎日通勤する生活は負担が大きくなります。
冬の生活を確認しておきたい
氷ノ山やハチ高原を抱える地域なので、雪への備えも必要です。
スタッドレスタイヤや除雪、冬場の通勤時間などは、実際に住みたい地区ごとに確認しましょう。
高度専門医療は市外への移動が必要な場合も
公立八鹿病院という地域医療の拠点はありますが、すべての専門医療が市内で完結するわけではありません。
定期的な専門診療が必要な家庭は病院までの距離も重要です。
朝来市・豊岡市・香美町と比較すると?

養父市だけを見ると支援が非常に充実しているように見えますが、但馬地域では周辺自治体も積極的な子育て・移住支援を行っています。
大まかな特徴を比較すると以下のようになります。
| 自治体 | 特徴 |
|---|---|
| 養父市 | 医療費・住宅・空き家・特色校・創業支援のバランスが良い |
| 朝来市 | 小中学校給食費無償化が魅力 |
| 豊岡市 | 比較的都市機能があり、教育の選択肢も多い |
| 香美町 | 高校生年代までの医療費・学校給食費など経済支援が充実 |
「子育て支援なら養父市が圧倒的に一番」というわけではありません。
養父市が特に強いのは、
住宅・空き家+特色ある教育+起業+自然環境
を組み合わせたい家庭です。
反対に、
「給食費無料を重視したい」
「できるだけ車を使わず生活したい」
「都市的な買い物・教育の選択肢を重視したい」
という家庭なら、朝来市や豊岡市なども合わせて比較することをおすすめします。
養父市への移住がおすすめな人

養父市は、特に次のような人と相性が良いでしょう。
- 自然の近くで子どもを育てたい
- 都市部より広い住宅に住みたい
- 古民家や空き家をリノベーションしたい
- 少人数教育に魅力を感じる
- アウトドアが好き
- リモートワークができる
- 但馬地域で仕事を探せる
- 地方で起業したい
- 地域とのつながりを楽しめる
補助金だけを目的にするよりも、
「どんな暮らしをしたいのか」と養父市の環境が合っている人ほど、移住後の満足度は高くなりやすい
と考えられます。
養父市への移住を慎重に考えた方がいい人

一方で、次のような家庭は移住前に十分な確認が必要です。
- 車を持ちたくない
- 大阪や神戸へ毎日出社する
- 都市部と同じ買い物環境を求める
- 学習塾や習い事の選択肢を最優先したい
- 雪のある生活が苦手
- 高度専門医療へ頻繁に通院する必要がある
- 給食費完全無償を重要視している
地方移住では「家が安い」「補助金が多い」だけで決めてしまうと、交通や仕事の部分で想定外が起きやすくなります。
できれば一度お試し移住を利用し、普段の生活動線を実際に車で回ってみることをおすすめします。
養父市への移住前にチェックしたい5つのポイント

実際に物件を探し始める前に、最低でも次の5つは確認しておきましょう。
- 勤務先までの通勤時間
- 保育園・小中学校までの距離
- スーパー・病院までの距離
- 高校進学後の交通手段
- 冬の積雪・道路状況
特に養父市では、「どの家を選ぶか」以上に「どの地区を選ぶか」が暮らしやすさを左右します。
住宅補助が利用できるからといって物件価格だけで決めず、家族の生活動線まで確認しましょう。
養父市の子育て・移住に関するよくある質問

養父市は本当に子育てしやすいですか?
医療費助成、病児保育、住宅支援、高校通学支援など、子どもの成長に合わせた制度は充実しています。
一方で学校給食費は完全無償ではなく、地域によっては車移動も重要です。
「支援金が多いか」だけではなく、生活環境を含めて判断することをおすすめします。
養父市では子どもの医療費は無料ですか?
0歳から高校生年代まで、所得制限なしで保険診療にかかる自己負担額を全額助成しています。
養父市の学校給食費は無料ですか?
完全無料ではありません。
2026年度の小学校給食費は1食333円、月額5,400円です。
養父市は英語教育が充実していますか?
外国語指導助手の活用が行われています。
特に小規模特認校の建屋小学校では、低学年からの英語活動や外国語指導員との交流、オンライン英会話など特色ある教育を行っています。
ただし、市内すべての学校が英語特化校というわけではありません。
養父市は車なしでも暮らせますか?
住む地域によります。
八鹿駅や八鹿市街地周辺と山間部では生活環境が大きく異なります。
市域が広いため、子育て世帯では車がある方が生活の自由度は高いでしょう。
養父市から大阪へ通勤できますか?
大阪まで車で約2時間、高速バスでは約2時間50分が目安です。
毎日大阪へ通勤するよりも、但馬地域内で働く、またはリモートワーク・出社頻度の少ない働き方の方が現実的でしょう。
養父市へ移住すると住宅補助はいくらもらえますか?
制度によって異なります。
主なものとして、新築最大40万円、空き家購入最大30万円、民間賃貸は月最大2万円などがあります。
一定条件を満たすU・Iターン世帯の空き家改修では最大150万円の制度もあります。
年齢や居住期間、併用可否などの条件があるため、契約前に養父市へ確認しましょう。
養父市に起業支援はありますか?
あります。
2026年度の創業・第二創業補助では最大100万円、食品等の製造加工を行う場合は最大200万円の補助があります。
移住前に養父市で暮らしてみることはできますか?
短期滞在支援住宅などが用意されており、条件を満たせば1〜6日の移住体験が可能です。
1〜3か月程度の移住体験制度もあるため、本格移住の前に利用してみるのがおすすめです。
まとめ|養父市は自然・住宅・教育を重視する子育て家庭におすすめ

養父市は「すべて無料」「移住すれば大きな支援金がもらえる」といったタイプの自治体ではありません。
実際、2025年国勢調査速報では人口19,757人まで減少しており、小学校の給食費も完全無償ではありません。
大阪への毎日通勤には距離があり、市内でも住む地域によって車の必要性や買い物のしやすさが変わります。
それでも養父市には、
高校生年代までの医療費助成
病児保育
空き家・住宅支援
小規模特認校や義務教育学校
創業支援
氷ノ山・ハチ高原をはじめとした自然環境
といった魅力があります。
特に、空き家を購入して住宅費を抑えながら、自然の近くで子どもを育て、自分らしい仕事や暮らしをつくりたい家庭とは相性が良いでしょう。
逆に、都市部と同じ便利さや車なしの生活を求めるのであれば、慎重な検討が必要です。
養父市への移住で大切なのは、支援金の額だけで判断することではありません。
「自分たち家族がどんな暮らしをしたいのか」と養父市の環境が合っているかを確認すること。
気になっている人は、まず移住相談やお試し移住を利用し、スーパー・病院・学校・勤務先まで実際に移動してみることをおすすめします。
自然の近くで家を持ち、地域とのつながりの中で子どもを育てたい家庭にとって、養父市は一度現地を訪れて検討する価値のある移住先です。

